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続・新美南吉

前回に続き、新美南吉の養家を訪ねました。

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PENTAX K-7 / smc PENTAX-DA★55mm F1.4 SDM

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南吉が4歳のときに亡くなった生母りゑの実家「新美家」。

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大正10年、主の叔父も亡くなり跡取がいなくなったため、当時8歳の南吉が養子に入る。
このときに、渡辺から新美に改姓。

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しかし、祖母とふたりきりの生活は幼い南吉には寂しすぎたのか、半年後には実家の渡辺家に戻る。

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『おばあさんというのは、夫に死に別れ、息子に死に別れ、嫁に出ていかれ、そしてたった一人ぼっちで長い間をその寂莫の中に生きて来たためだらうか、私が側によっても私のひ弱な子供心をあたためてくれる柔い温ものをもっていなかった。何かによって自分を救おうとして、様々な努力を試みた。死んだ叔父さんが若い時に読んだという多くの書物の中の絵という絵を彩って見たり、掬って来た鮒をバケツに入れて飼ったり、竹馬を造ったり紙鉄砲をとばしたり。しかしそれらはみな心の空虚を満してはくれなかった。日暮になると私はもうどうしたらよいか解らなかった。柊の木の下や、軒端に積まれた藁の上にちょこんとして、遣り場のない寂みしさを、藁のすべを噛み噛みこらえていた。』(「常夜燈の下で」より)

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『おばあさんの家は村の一番北にあって、背戸には深い竹薮があり、前には広い庭と畑があり、右隣は半町も距たってをり、左隣だけは軒を接していた。そのような寂しい所にあって、家はがらんとして大きく、背戸には錠の錆びた倉が立ち、倉の横にはいつの頃からあったとも知れない古色蒼然たる山桃の木が、倉の屋根と母屋の屋根の上におおいかむさり、背戸口を出たところには、中が真暗な車井戸があった。納戸、勝手、竈のあたり、納屋、物置、つし裏など暗くて無気味なところが多かった。』(「常夜燈の下で」より)

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18歳で上京し文学活動に励みますが、結核を患い帰郷し29歳の若さでこの世を去る。

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PENTAX K-7 / smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED [IF]

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参考:新美南吉記念館

PENTAX PEOPLE 月例TBフォト企画(22) 『ペーソス(pathos)』にトラックバックします。

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